行事食とは
行事食とは、季節ごとの行事やお祝いの日に食べる特別な料理のことを言います。それぞれの旬の食材を取り入れたものが多く、季節の風物詩の1つにもなります。
行事食には家族の幸せや健康を願う意味が込められています。また、地域によってお祝いの仕方が異なるように、伝統食にも地域ごとの違いが見られる場合があります。
行事食が誕生した背景には、四季折々の年中行事があったことが挙げられます。本来、年中行事は「神様を呼び、ご馳走を捧げる日」で「ハレの日」とも呼ばれ、
普段の食卓にはないご馳走を並べて日常(ケの日)とは区別してきました。
農耕民族であった日本人にとって、季節の変化は稲作を中心とする農耕手順の目安になるものです。その目安となる日に行事を行うことで、収穫に感謝してきました。
また、季節の変わり目は体調を崩しやすく、そのため季節の変わり目に「ハレの日」というご馳走を食べる日を設けることで、
体に栄養と休息を与えてきました。行事食は体調を崩しやすい季節の変わり目を、賢く乗り切る「食の知恵」でもあります。