あ行
西インド諸島原産のフトモモ科植物の果実。5~8mmの暗褐色、球状の果実で、クローブ、ナツメグ、シナモンや、こしょうの4大スパイスを合わせたような風味をもっていることからその名が付きました。
オールスパイスの使用用途は幅広く、洋食ではハム、ソーセージなどの肉料理、ソース、スープ、ケチャップ、ピクルス、ケーキなど幅広い用途に使われます。
また、カレー粉の代表的な原料として、中近東、インド、中国、東南アジア料理にも欠かすことができません。家庭料理用として常備しておくと、大変重宝します。
別名:玉ねぎ
玉ねぎを乾燥させ、粉末にしたものです。
ひき肉や魚料理の臭み消しとして利用されたり、スープやオムレツの隠し味として使われます。
(写真はローストオニオン)
シソ科に属する多年草で、その葉は長さ1.5cm前後あり、先端が尖った卵形をしています。乾燥した葉は、もろく砕けやすいためほとんど原形をとどめません。
色は灰緑色ないし灰褐色で、特有の清涼感のある芳香とほのかな刺激味があります。
古くから利用されてきたハーブの一つで、気候、土壌、野生種、栽培種、変種、品種などによりさまざまなタイプがあり、香味も少しずつ異なります。
ギリシャ地方の山野に多く野生し、ギリシャ語のオリガナム(origanum=喜びの山)が語源となっています。
イタリア料理に欠かせないハーブの一つで、ピザに使われることが多いです。またトマトケチャップ、トマトジュース、オムレツなどのトマト料理とよく合います。
か行
別名:ニンニク
ニンニクの鱗茎を乾燥したものです。フレーク状、顆粒状、粉末状などがあり、一般に生のガーリックには強烈なにおいと辛味がありますが、
乾燥したものには刺激性の不快臭がはるかに少なく、多くの料理の味の補強剤として使われています。
どんな料理にでも少量使うだけで驚くほど味が引き立つので、中華はもちろんのこと、メキシコ料理、イタリア料理、フランス料理などには欠かせないスパイスです。
また魚や肉の生臭さを消す効果もあります。
インドの家庭では欠かせないスパイスで、いわゆるインドのおふくろの味です。それぞれの家庭の好みに合わせて芳香性のスパイスや辛味性のスパイスが混合されているので、
家庭の数だけいろいろな香味のガラムマサラが存在し、標準的レシピというものはありません。
一般的には3~10種類のスパイスを混ぜて作られ、芳香性スパイスとしてはナツメグ、カルダモン、クローブ、シナモン、クミン、コリアンダー(コエンドロ)など、辛味性スパイスとしてはジンジャー、
ブラックペッパー、レッドペッパー、ガーリックなどが使われています。
カレーの場合は調理の終わりごろに風味付けとして加えられるのが一般的ですが、その他にも使い方はいくつもあり、肉や野菜の炒めものや、煮物、焼き物に加えると独特のアクセントとなり、
香り高く、料理の美味しさが引き立ちます。
カルダモン、ターメリック、クミン、コリアンダーなど、20種類以上の香辛料を混合したものです。
粉末状で、少量を加えるだけで、あらゆる料理にカレー風味をプラスできます。
このカレー粉に小麦粉、油脂、調味料を加えたものがカレールウです。
せり科、キャラウエイ属の二年草の種子です。長さ5mmで、色は濃褐色、やや偏平な三日月形で、2個向かい合って楕円形をしています。種皮には灰白色の五条の縦筋があり、
その外観はクミンによく似ていますが、香りは全く異なり、特有の甘くて強い芳香をもっています。葉は種子とは違い、爽やかな味がします。
パン、ケーキ、ビスケット、卵料理、チーズ、キャベツ料理、カレーのスパイスなどに用いられます。また、リンゴとの相性がよく、焼きリンゴやアップルパイにもよく使われます。
またキャラウェイの芳香油は、ソーセージや缶詰食品などの味つけのほか、香水、化粧品、口腔洗浄剤、うがい薬に使用され、インドでは、殺菌力があるとして石けん用の香料にもなっています。
さらに、種子の粉末を配合した糖菓は、消化不良予防のため食後に食べられ、種子は胃腸薬、かぜ薬にも使用されます。
中国原産のナス科の落葉低木の果実。古来より滋養強壮の食品として知られ、薬膳には欠かせないものです。
クコの実の原産国は中国をはじめとした東アジアで、日本では本州から沖縄にかけて栽培されています。
ビタミンB1・B2、リノレン酸、アミノ酸、各種ミネラル、食物繊維などのほか、ベータカロチンなどのカロチノイドやベタイン・ゼアキサンチン・フィサレンなどのファイトケミカルに
分類される栄養が多く含まれており、滋養強壮(疲労回復)の他、脂肪肝などの肝臓病、高血圧、視力回復、高コレステロール、腰痛、膝の痛み、老化防止などへの効能が期待されています。
クコの実の利用法は、乾燥させてドライフルーツにしたり、薬膳粥などの薬膳料理の具に使われたり、リキュールに漬け込んだ薬用酒(クコ酒)などがあります。
エジプトを原産とするセリ科の一年草の種子。種子そのままのタイプ(クミンシード)と、粉末にしたタイプが売られています。5、6mmで、色は黄褐色。種子は三日月で、種皮には淡黄色の縦筋があり、
特有の強い芳香をもっています。外観はキャラウェイによく似ていますが、芳香は全く異なります。
クミンは、カレー粉の原料として欠かせないだけでなく、チリパウダーやチャツネの原料としても用いられます。世界各地のさまざまな料理に使われるポピュラーなスパイスの一つで、
クミンの香りを生かした代表的な料理や食品には、北アフリカのクスクス、北欧のクミン入りチーズ、ドイツのキュンメル酒、メキシコ料理のチリー・コーン・カーンなどがあります。
アメリカでは、サラダドレッシングやケーキ、パン類にも用いられます。また、消化促進や解毒作用があると言われています。
インドネシア原産のフトモモ科の植物の開花前の花蕾を乾燥させたものです。中国では別名を丁子(ちょうじ)、丁香(ちょうこう)と言いますが、その形が鶏に似ていることから鶏舌香(けいぜっこう)
とも呼ばれています。1.5㎝程の蕾で、色は濃褐色、強く甘い芳香と舌にしびれるような刺激味が特徴です。数あるスパイスの中でも、最も強い香りを持っています。
ヨーロッパでは、クローブはコショウなどとともに、食品や料理の香りづけの材料として、ハム・ソーセージ、シチュー、スープ、ピクルス、リキュール、菓子などに広く用いられます。
口腔清涼剤、胃腸薬などの医薬品としても使われるほか、その芳香油は、化粧品やインドネシアのタバコ(クレテック)の香り成分にもなっています。
コショウ科の常緑樹の未熟な実を収穫し、乾燥させた黒コショウと、完熟した実の外皮を除いて乾燥させた白コショウとがあります。他にはグリーンペッパー・ピンクペッパーなどもあります。
白コショウの方が黒コショウよりマイルドです。辛みと香りが強く、肉に使う香辛料としてよく用いられる。
(写真左は黒コショウ、右は白コショウ)
別名:香菜・パクチー
独特の風味を持つ香味野菜です。茎や葉はもちろん、根もにんにくなどとともにペースト状にして利用されます。
タイ料理には欠かせない香味野菜です。
さ行
アヤメ科の多年草のめしべで、開花期にひと花ひと花を手で摘み、めしべ3本を取り出したら火であぶるようにゆっくりと乾燥させたものです。
ほのかな、独特の上品な香りを持ち、料理を黄色く色付けます。魚介の料理によく合い、代表的な料理はスペインのパエリア、南仏のブイヤベースなどがあります。
古くから利用されてきたミカン科の植物で、"木の芽"と呼ばれる若芽から、果実、種、さらにははじけた果実の皮まで使われます。
しびれる辛みのもとはサンショオールという成分で食欲の増進や、胃腸の働きを活発にする効果があります。うなぎによく使われます。
日本独特の、江戸時代から広く利用されてきた和風香辛料。必ずしも7種類の原料で作られるとは限りませんが、赤唐辛子(レッドペッパー)に山椒、麻の実、陳皮(みかんの皮)、ごま、けしの実(ポピー)、
しその実または青のりを加えて七味とすることが多いです。その他にしょうが、菜種、のりなども使われることがあります。
江戸時代の漢方薬を参考につくられたブレンドスパイスで、地方毎に風味の特徴があり、京都などでは山椒の香りが重視されて多めに配合されており、関東では唐辛子の辛さが重視されてやや辛めの
七味唐辛子になっています。
うどんやそばの麺類や、牛丼や親子どんなどの丼ものに振りかけて食べます。
セイロンニッケイのクスノキ科の樹皮をはいで発酵させ、外皮をはいで乾燥させたものです。類種の外皮をはがないものが肉桂です。
スリランカ、インドネシアなどで栽培されています。香り成分はシナミックアルデヒドが主です。
ケーキ、クッキー、ドーナッツなどに使われます。
別名:生姜
地下茎に特有の芳香と辛みがあります。世界的には、乾燥品や粉末が使用されていますが、日本では生で使うことが多いです。
乾燥粉末は菓子やジンジャーエールなどの飲料に使用されています。
ヨモギに似た独特の薬臭い香りを持つシソ科のハーブです。渋みや甘さがあります。
ツヨン、カンファー、シネオールなどの精油成分を含み、古代から万病に効くハーブとして使用されてきました。防腐、雑菌消毒、強壮、精神安定、発汗抑制作用などがあると言われています。
肉の臭みを消し、同時に消化も助けてくれるため、豚肉や内臓肉などの料理に使われます。ソーセージの加工には欠かせません。
た行
加熱しても風味が落ちないのが特徴のシソ科のハーブです。精油成分は、チモール、カルバクロールなどで、強い殺菌防腐作用があり、うがい薬としても使われています。
お茶にすると発汗を促すので、風邪からの回復が期待できます。スープ、シチュー、マリネなどさまざまな料理に利用され、肉類など、脂肪分の多い食物の消化を助けます。
肉や魚の生臭みを消す効果もあり、煮込み、ソースやハムなどに使用されます。
別名:うこん
ショウガ科の多年草で、地下茎の部分が使われています。収穫後、煮沸してから乾燥させ、皮をけずりとります。ちょっと土くささを感じさせる独特の香りとほろ苦い風味で、
黄色く着色するのに使われることも多いスパイスです。
カレーパウダーには欠かせないスパイスで、料理を黄色く色づける目的で使われることが多く、カレーに添えるごはんを炊く時に加えてターメリックライスにすることもあります。
メキシコから北アメリカにかけての料理、スペイン料理などによく使われるミックススパイスで、レッドペッパー・パプリカ・クミン・オレガノ・ガーリック・食塩などを混ぜ合わせて作られます。
中南米料理を作る際に使われるスパイス類をブレンドしたもので、アメリカで製品化されました。
タコスなどのメキシコ料理やタンドリーチキンなどによく使われます。
別名:チリペッパー・レッドペッパー・一味唐辛子
唐辛子を粉状にしたもので、料理に辛味と旨味をプラスします。チリペッパーとも呼ばれ、カイエン(ヌ)ペッパー、日本品種の鷹の爪などがあります。
また、赤く熟した唐辛子はレッドペッパーと呼ばれています。
鷹の爪は粉状(一味唐辛子)にしたものや輪切り、糸切りなど様々な製品があり、料理に合わせて使い分けされています。
(写真は一味唐辛子)
な行
ナツメグの種子を粉末にして作られる香辛料で、独特の甘い芳香があり、ハンバーグやミートローフなどの挽き肉料理や魚料理の臭みを消すために用いられます。
ソーセージ、ハンバーグ、ミートローフなどの肉料理に多く使われるほか、ケーキやクッキーなどのお菓子にも使われています。
は行
シソ科のハーブで、甘みのあるさわやかな香りが特徴です。イタリア料理などでよく使われ、生のまま料理に入れて食べる他、乾燥・粉末にしたものも料理に使われます。
トマト料理・肉料理・魚料理などによく合うほか、パスタやピザなどのイタリア料理には欠かせないハーブです。
別名:スターアニス・大茴香
中国料理で使われる八角状の星形をしているスパイスです。モクレン科の実を乾燥させたもので、良い香りとほのかな苦味があり、その形状からスターアニスとも呼ばれています。
中国の混合香辛料の五香粉(ウーシヤンフェン)の中心的なスパイスです。
豚の角煮など、豚肉や鶏肉を使った料理によく使われます。
ハンガリーでよく使われるスパイスで、種子を取り除いた赤いパプリカを乾燥させ、粉末化したものです。
唐辛子にも似た独特の風味がありますが、味や風味が穏やかなため、大量に入れても料理の味を損ないません。また、鮮やかな赤色は、料理を彩る色彩としても用いられます。
ハンガリー料理、特に煮込み料理によく使われます。また料理の色付けの為にも使われています。
ま行
別名:からし
マスタードは独特の香りと鼻に抜けるような辛味が特徴のスパイスです。スパイスとして使用されるのはアブラナ科からし菜の種子の部分で、この種子をそのまま使用する場合と、
乾燥粉末にして使用する場合があります。
チューブや瓶詰めにして売っているペースト状の物は乾燥粉末を水や酢、糖類、小麦粉などで練り上げた調味料です。練がらしのほか、種子の粒が入った粒マスタードなどもあります。
昔は洋がらしはイエローマスタード、和がらしはオリエンタルマスタードから作られていましたが、現在では両方を混ぜ合わせ配合や挽き方で分けています。
外皮を取り除いて挽いたものが洋がらし、カラのまま挽いたものを和がらしとしているケースが多く、外皮にはピリッと辛い成分が含まれているので和がらしのほうが辛いといわれています。
(写真は粒マスタード)
さわやかな香りが特徴のシソ科ハッカ属のハーブで、料理やお菓子、紅茶などいろいろなものに使われます。
ミントの爽快味・冷涼感の主体となる成分はメントールと呼ばれ、リラックス効果や、リフレッシュ効果があります。生葉と、乾燥・粉末にしたものがあります。
ら行
短い松葉のような葉で、独特な強い香りが気分をスッキリさせてくれる地中海沿岸が原産のシソ科のハーブです。
消臭効果や抗菌作用、抗酸化作用があり、肉の鮮度を長持ちさせることからヨーロッパでは 古くから肉料理に使われてきました。
ラムなどクセの強い食材の臭み消しに使われる他、淡白な食材の風味付けにも使われます。生葉と乾燥させ粉末にしたものがあります。
別名:月桂樹・ベイリーフ
月桂樹の葉を乾燥させた香辛料で、ヨーロッパでよく使用されます。すがすがしく、明瞭な芳香があり、香り付けや素材の臭み消しなどの効果をもちます。
シチューやポトフ・カレーなど煮込み料理によく使われますが、長時間煮込むと苦味が出てくるので、葉は刻まずに途中で取り出して使います。
わ行
アブラナ科ワサビ属の植物で日本が原産のものを特に本ワサビと呼び、すりおろして使います。
東洋ではセイヨウワサビが一般的で、日本でも練りワサビが出回っています。独特の強い刺激性のある香味が料理を引き立て、また殺菌作用もあります。
(写真は練りワサビ)