「大黒様の年取り」とは
12月9日前後に「大黒様の年取り」・「大黒様の嫁迎え」と称した大黒様を祭る行事が各地で行われています。大黒様はもともとヒンドゥー教の神様です。
その後日本の大国主命と神仏習合してできた神道の神様となり、七福神の神様の一人にもなっています。豆炒りや米炒り、まっか大根(二股大根)を供え、黒豆料理と大根料理を食べて、豊作と子孫繁栄を祝います。
豆と大根は畑作物の代表であり、それらを供えることは大黒様を農神として信仰していることを示しています。
大黒様は餅が大好きで、ある時餅をたらふくごちそうになり家に帰る途中腹痛をおこしました。川端で大根を洗っていた村の女性に「一本下さい」と頼みましたが、姑から大根の本数を数えて渡されているので
あげることができずその女性は困りました。しかし大根の中に「まっか大根(二股大根)」があったので、その一方をかき取ってあげたところ、大黒様はもらった大根で腹痛を治すことができ、たいそう喜ばれたそうです。
このことから、毎年大黒様にまっか大根を供えるようになりました。また、まっか大根は大黒様のお嫁さんだとも言われ、「嫁ご大根」とも呼ばれています。
大根を食べて腹痛が治ったことから、餅には大根がつきものとなりました。